お知らせ
師走の候、ご挨拶
さて先月、人生二度目の対馬旅行に出かけました。対馬の魅力は手つかずの自然と素朴な人情、古い日本文化の痕跡が残っていることなどです。平安時代には、九州の神社総数の三分の一が対馬にあったそうで、現在でも島の至るところに神社があり驚かされます。
今回の目的の一つは登山で、白嶽と御岳に登ってみました。いずれも標高500 ㍍ほどで、2時間弱で登れます。対馬の晩秋は空気が澄んでおり、この日は好天に恵
まれ、頂上からは韓国の釜山がくっきりと見えました。
もう一つの目的が対馬の南島の西岸にある小茂田浜神社の祭りで、行ってみると境内は地元の人たちで賑わっていました。750年前の元寇の際に、玉砕した対馬の武士八十余騎を弔う祭事で、神主が海に向かって矢を放つ儀式を見ることができました。当地では今日に至ってもなお、大陸に対する敵愾心が継承されているように感じました。
最北の比田勝付近にある日本海海戦記念碑まで行くと、平和を祈念して日露両国の国旗が揃って掲揚されており、時節柄ちょっと驚きました。
三年ぶりに訪れた民宿の主に歓待され、二回目にしてその宿の常連と認定されたこともあり、いつか三度目の対馬もいいかなと思っています。
本年は大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。
2023年12月19日 08:53
日本の財政は本当に危機的なのか?②
今回は民間経済(家計・企業)と国家財政(政府)の違いについて考えてみたいと思います。
◆家計・企業の借入と政府の借入(国債発行)を同一視していないか?
マクロ経済では、家計・企業・政府の3つの経済主体が前提となります。家計・企業はいわゆる民間経済、政府は国家財政に該当します。
家計は一般個人の集合体です。その財政構造は、給料や年金の収入に対して、生活費・娯楽費などの支出があり、住宅などの高額商品を購入する際に手元にお金が無ければ銀行で住宅ローンを組みます。
企業は民間企業などの集合体です。その財政構造は売上という収入に対して、仕入経費・人件費などの支出があり、設備など多額の投資をする場合は銀行から融資を受けることになります。
家計と企業が借入する際の条件として、返済財源が確保されている必要があります。銀行は返済能力のない家計・企業に対して融資を行いません。
一方、政府の財政構造は主として税収という歳入に対し、公共事業、社会保障費などの歳出があり、不足分は国債発行によって補います。
このとき政府は、家計・企業のように借り入れに際して返済財源を確保しなければならないという制約条件がありません。
◆国債発行は「信用創造」であるという事実
従来、マスコミの報道では、国債発行は国の借金であると解説されてきました。しかし「国の借金」という表現は、国債発行の一面しか説明をしていません。
国債発行の本質は、「通貨供給」である点が完全に抜け落ちています。
「通貨供給」とは、政府が予算執行のために国債を発行すれば、その分、民間に通貨が供給されることになることを意味します。民間へ通貨が供給されれば、民間の資金が潤うため民間経済に対してプラスの効果があります。このことは、銀行による融資が「信用創造」をもたらしていることと同じ効果があります。
国債発行 = 通貨供給 = 信用創造 となります。
◆政府は国債を返済しなくてはいけないのか?
国債発行が通貨供給であるとしても、「いつかは国債を返済しなくてはいけないのではないか?」という指摘があります。
仮に国債を返済するとしたら、その返済財源はどこから持ってくることになるかというと、それは民間から集めた税金で国債を償還(返済)することになります。もし国債を税収で返済すると、その分の資金が民間から消えることになるので、民間経済に大きなダメージを与えることになります。
したがって、通常、世界のどの国も税収で国債を返済するということはしません。国債の発行残高はどこの国も増え続けていますが、事実上、問題にはなっていません。
では国債の償還期限が到来したらどうするか?それは、借換債を発行して形式上償還するだけです。
国債はいったん発行したとしても、その後利子を払いながら、借り換えをし続ければ問題がありません。
なぜなら、政府は家計や企業とは異なり、永遠に存続することが前提となっているからです。
この文脈から、いわゆる国債の「60年償還ルール」は意味が無いということがわかります。
このように、財政破綻論者の議論においては、民間と政府の借入のどちらも返済義務があるものとして同一視していたり、国債発行は民間経済を潤す通貨供給=信用創造であるということや、政府は永遠に存続する前提なので国債を借り換えし続けても問題が無い、という事実が見落とされていると思います。
2023年10月02日 17:41
秋分の候 ご挨拶
今年の夏は本当に暑かったですね。
今夏の日本列島の気象は、太平洋高気圧と、偏西風の影響による大陸から張り出した高層のチベット高気圧が、2階建て構造となって、長期間にわたり居座りました。
そのため、連日、太陽を遮る雲がほとんど湧かず、直射日光による猛暑日となったようです。特に快晴の日は、強烈な太陽光線が少し黄色く見えたような気がしました。
さて、あまりの暑さのためゴルフをする気にもならず、お盆前の休日に千里浜へ海水浴に出かけてみました。この日も猛暑日でしたが、砂浜は海から常時ほど良い風が吹くので、簡易テントを広げて日陰に居ると意外に涼しく、潮風と波音に包まれて、気持ちよく昼寝ができました。海水に浸かって上がると少し寒いくらいでした。
真夏の砂浜は、涼がとれる意外な穴場です。
千里浜は全国で唯一の車が通行できる砂浜海岸です。観光バスのような大型車でもスタックせずに走れるのは、千里浜の砂が一般の砂の半分程度の大きさで、きめが細かく、海水を吸って舗装道路のように固まるからです。しかし近年はダム建設による河川土砂の減少と、海岸侵食のために幅が狭くなりつつあります。金沢港から補充してきた同質の砂も枯渇しているそうで、ちょっと将来の姿が心配です。
近くの温泉で汗を流し、最後にもう一度、海岸へ出て美しい夕焼けを眺めてから帰路につきました。
2023年09月28日 15:14
日本の財政は本当に危機的なのか?①
ここ1年くらいは円と米ドルの金利差が原因で少しばかり円安が進みましたが、現在までのところ財政的な危機は何も起きていないのが現実です。
なぜ、何も起きないのか?そもそも我が国の財政は危機的な状況にあるのか?
これは決して専門家でないと解答が出せない問題ではないと私は考えています。
そこで、今回から数回にわたって、金融財政の原理原則を踏まえたうえで、庶民の視点から、この問題について考えてみたいと思います。
◆財務省 「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。」
財務省は平成14年5月2日付の「外国格付け会社宛意見書要旨について」の中で「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。」と格付け会社の意見に対して反論しています。そして次のように問いかけています。
「・マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国
・その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている
・日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高
これらの要素をどのように評価するのか?」と。
これは現在も財務省のHPに掲載されていますので、どなたでもご覧いただくことができます。
このHPの内容からわかるように、政府は日本国債のデフォルト(償還不能)は起こりえないと考えているといえます。
https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm
◆「自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」とは?
令和4年度末で、政府の発行する国債残高は1,042兆円となっていますが、その大半が円建てで発行されています。国債はその期間が短いもので1年物から、最も長いもので40年物まで何種類かありますが、それぞれの満期償還時には、政府は国債の保有者に対して円(銀行預金)で返済します。
では、政府はその円をどこから調達するのでしょうか?大半は借換債を発行して調達します。借換債で足りない分は新規に国債を発行し(図の①)、日銀当座預金に余った資金を保有している民間銀行に引き受けてもらいます(図の②)。
では、「民間銀行が国債を引き受けなかった場合はどうなのか?」
そういう事態は、今のところ考えられません。
民間銀行が国債を購入する際の資金は、民間銀行が日銀に保有する日銀当座預金から支払います。日銀当座預金は無利子ですので、民間銀行は日銀当座預金に資金を寝かせていても1円も利息が付きません。従って、経済原理に従い、民間銀行は必ず政府が発行する国債を購入します(①)。
このように政府が国債を発行すると、全額を必ず民間銀行に引き受けしてもらえますので、デフォルト(償還不能)は考えられません。
昨今の金融緩和策により、日銀が民間銀行の保有する国債を大量に買い上げていますので、日銀当座預金には常に潤沢な資金が置かれており、政府が発行する国債を消化できないことはあり得ないのが現状です。
2023年08月31日 17:58
梅雨の候 ご挨拶
先日、長野県の木島平スキー場で開催されたショートのトレランに参加しました。学生時代の仲間と各地の大会に参加するのが毎年恒例になっていて、完走はしたものの、体重をもう少し落としたいものだと思いました。
その大会の前日に、近くの野沢温泉村の民宿に泊まりました。国内のスキー人口はピーク時の3割といわれており、全国的に廃業したスキー場が多いなか、野沢温泉村も経営が厳しいのではないかと想像していました。しかし意外にオシャレな店や宿が点在し、温泉街はきれいに整備され、人通りもあり、活気を感じました。
宿の主人に聞いたところ、近年、冬場にオーストラリアからの観光客が増えて、外国人が経営する宿がいくつもあるそうで、第2のニセコとも言われているようです。オーストラリア人にとっては、夏冬の季節が逆の、自国との時差が僅かな日本において、こじんまりと歩ける範囲で、スキーも温泉も食事も楽しめ、田舎のたたずまいを感じられ、東京経由で短時間で来れる、新幹線の駅からも近い、となれば観光にうってつけなのでしょう。無論、長野県のPR努力もあったようです。
温泉街には無料の小さな共同浴場が13ヶ所もあり温泉めぐりを楽しめます。源泉は短時間で温泉卵が作れるほどの熱さです。夜になると宿の近くの用水で蛍が飛んでいました。宿の食事も美味しかったのでまたいつか訪れてみたい土地になりました。
2023年06月20日 13:40
ホームページオープンのお知らせ
「株式会社リスクマネジメント・ラボラトリー 金沢支店」のホームページがオープンしました。
企業型DCは全ての厚生年金定期用事業所に導入することができますが、DC加入者はまだまだ少数派です。
弊社はご相談から導入後のメンテナンスまでワンストップ!かつ、低コスト!で企業型DC導入サポートを行っております。 「すべての中小企業に確定拠出年金の導入を!」をスローガンとしてDCの普及を進めてまいります。
企業型DC導入をご検討なら弊社へお任せください。
2023年03月28日 00:00
啓蟄の候 ご挨拶
今年は花粉の飛散が多いそうで、花粉症の方にとってしばらくはきつい季節です。
さて、この2月中旬に1週間ほどオーストラリアのシドニーへ単身観光に出かけました。期限間近のマイルの使い道として、暖かい旅先を探してたところ、上手く特典航空券を予約することができました。
オーストラリアは、コロナ蔓延防止のための厳しいロックダウンが一時報道されていましたが、現在では全く入国制限がなく、街でもマスクをしている人は1人も見かけませんでした。逆に、日本への入国時は陰性証明提示などの規制が現在もあります。
全般的に物価が高く、飲食や生活必需品は日本の2〜3倍もしており閉口しました。円安と、20年以上も我が国のGDPが伸びていないことのダブルパンチで、日本人にとって海外旅行は高くつく時代になってしまいました。
車は日本と同じ右ハンドルなので、レンタカーの運転は違和感がありません。交差点は、信号機の無いラウンドアバウト(サークル)が多く、最初は戸惑いましたが、慣れてしまうと合理的かつ安全なので、日本でももっと導入すればいいのにと思いました。
今回はゴルフが目的でしたので、カンガルーが放し飼いのゴルフ場や、豪快な海越えのホールのあるコースなどいくつか訪れました。
プレー代は逆に安くて日本の半額ほどです。向こうでは多くのゴルファーが歩きなので、私も真似て歩いてきました。
2023年03月20日 13:55